脉状:「細・数」、「胃の気」なし。 腹診:オ血反応(+)、膵炎様の腹、「肝実」、下垂‥右ソケイ部(+)。 背候診:「右膈兪」、右側梨状筋(+)。「火穴」反応‥腎・脾(+)
シャックリの治療方針として、以下の3つの柱を考え治療する。
@シャックリ → 横隔膜の痙攣 → 筋肉の膜の痙攣と考え → 脾、糖代謝 → 「照海」「兪府」「尺沢」・「右関門」・上太白・背部砂糖穴。 (∵ 膵炎様の腹の改善=横隔膜に近い位置である、「肝実」治療も兼ねる目的) A横隔膜 → 「膈兪」と関連 → 「右膈兪」(+)を(−)に改善する「左会陽」(屈伸に近い)。 B横隔膜に近い経穴で刺激を与える → 「中カン」(「三カン治療」としての腰痛の治療も兼ねる)・ネーブル・「右関門」
まず、本治法(「胃の気」・オ血処置など)を行った後に、上記の3つの治療方針に基づいて治療。 治療中から、胸のつかえが徐々にとれ、シャックリの程度が軽くなってくる。 治療の最後の仕上げの時点で、右側梨状筋に若干(+)が残っていたので、4月19日の『第11回 松本岐子先生セミナー in Japan』で学んだ右大転子の周囲の硬い部位(ターゲットは、右側の梨状筋とソケイ部)に刺針。 ここに刺針した瞬間から、ピタリとしゃっくりが止まる。
治療終了時には、前述の所見(「細・数」、膵炎様の腹、「肝実」、「右膈兪」、下垂の右ソケイ部、右側の梨状筋、オ血反応、「腎」・「脾」の「火穴」反応)が全て改善。 「右関門」に円皮針を保定して治療終了。 その後、シャックリは発症せず。腰痛も(−)が続いている。 |