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長野式研究会


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症例報告

●以鍼伝心 vol.2

医師不足 : 鍼灸師は沢山いるのに …

最近、先ずは産科医不足が取りあげられ、今では、医師不足が叫ばれています。
このような記事やニュースを見ていつも感じることは、鍼灸は、通常、医療分野での話しには出番がほとんどなく、医療に含まれないという現状です。
医療の一端を担っている鍼灸師のことは、全く書かれないということです。

最近の新聞に、「病気に関しての鍼灸は、気持ちが良ければよい…」、という内容がありました。
「病気に関しての鍼灸は、その病気の本当の原因を治療し、愁訴や病気を改善し、治すことです…」、という答えではありませんでした。鍼灸を知る専門家からの意見です。
また、相談コーナーで、「医師になりたいが自信がない」という高校生の相談が掲載されていました。
相談員は、「医師になれなくても、医療を支える人は沢山いるのだから色々と調べてご覧なさい…」と答え、いくつかの医療関係職を挙げていました。
その医療を支える仕事の中に、鍼灸師は入っていませんでした。

以前、岐子先生が『医道の日本』誌の「新年のことば」のなかで、鍼灸に対して‘医療類似行為’というのは寂しいではないか…というような内容を書かれたことがあります。
鍼灸の医事法規に詳しい方から、鍼灸は、法律では‘医療類似行為’ではないとの旨、お手紙を頂きました。
しかし、現状は、上記のように、新聞やテレビで取り上げられる医療分野では、鍼灸治療はほとんど仲間はずれであり、まさに、‘医療類似行為’と呼ばれてもおかしくない状態です。
寂しい限りです。

しかし、新聞やテレビに取り上げられない本当の鍼灸の現状は、皆さんもご経験があるように、患者さんの痛みや愁訴を、西洋医学より速やかに、副作用が無く、痛みを与えずに、非常に安価に(保険でないと、少々高価に感じますが、トータルでは激安です)改善出来ることが少なからずあります。
‘産科講座’を聞いていると、鍼灸は、ある面では、西洋医学より遙かに安心であり、人間に優しい治療であることが分かります。

現在、当院に来院している患者さんでも、ホームページでアップした全頭型円形脱毛症の幼児、肺ガン治療後の1年間続いた肋間神経痛様の激痛、全く原因不明でMRIでも異常なしの左股関節痛、サルコイドーシス、ガンの転移…等々がありますが、いずれも、西洋医学では、効果が無かった、あるいは、改善の程度が少ないものが、著しく改善しています。

ガンの転移の患者さんは、ホルモン治療をしていますが、看護師さんも不思議がるほど進行しません。患者さんは、鍼灸と温泉療法が効いている…と話されます。
(いずれ、上述の一部の症例報告を書くつもりです)

日本の医療分野に、もっと鍼灸師が入り込み、医師と協力して治療すれば、どれほど、医療に貢献できるか、また、患者にとっても非常に幸せなことであり、医療費高騰も、大幅に削減され、減税に一役かうことができます。
(何しろ、基本的に、鍼と艾くらいしか、使わないのですから。でも、これで金儲けを企んでいる輩にとっては、医療費が高騰することを望み、消費税アップを腕まくりしてウズウズしながら待っている輩にとっては、受け入れがたいことではありますが…)

以前(といっても、随分まえですが)、朝日新聞に、何か病気について掲載されたことがあります。ちょうど、岐子先生のセミナーがあり、セミナーでその病気を改善したことがありましたので、その必要な部分を映してあるビデオを送ったことがあります。
もちろん、何の音沙汰も無しです。

岐子先生の治療を聞くと、鍼灸の効果の凄さをいつも痛感します。
マスコミなどで、色々な愁訴や病気が取り上げられたり、タレントが苦しんだ病気などを聞くに付け、そのような症状や病気だったら、鍼灸治療を受ければ、もっと早く良くなるのに!!と思うことがしばしばです。
余りにも、鍼灸に対しての世間の認識が低いと思わざるを得ません。
しかし、故長野潔先生が強く望んでいた「鍼灸の地位向上」は、先生の言われたように、症例をコツコツと積み上げ、実績を重ねていく以外にはありません。
‘急がば回れ’です。

自分のことは棚において、言える筋合いではないですが、講座を行っていると、非常に安易に鍼灸を考えている鍼灸師がいることも事実であり、この現状では、鍼灸が医療に入り込めないのは仕方がないと思えることがあります。
しかし、志を高く持って鍼灸師同士が協力し、互いに切磋琢磨しあえば、いつかはきっと「東西両医学の融合」が現実のものとなるかと思います。
様々な異なる治療法のある鍼灸界ですが、お互いを誹謗中傷するのではなく、オープンにして、良いものをどんどん取り入れるようになれば、代替医療ではなく、西洋医学・東洋医学と、並び称される治療となるでしょう。

  鍼灸って、素晴らしい!! … 心からそう思います。
  皆さんは、如何ですか?
  是非、ご一緒に学び合いましょう。




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