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長野式研究会




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ネット講座

●実技講座からの便り
Vol.1 ‘プレ実技講座’から

※「ネット実技講座」のページですが、‘実技講座’の前の‘プレ実技講座’に関しての内容が、ほぼ、‘実技講座’に近いので、このページに書き込みました。

‘実技講座’
‘基礎講座’を修了された方の多くは、その後、お互いに治療をしあう‘実技講座’を受講されます。

‘実技講座’は、ホームページや、直接お問い合わせをされた方にお送りする《長野式研究会》のご案内などで紹介していますように、問診表を見ながら、あるいは、再度細かく問診をし、そこから必要な所見を取り、‘基礎講座’で習得した知識をもとに、実際に治療をしていく講座です。

本人は、身体がそれほど悪いとは思っていなくても、予想外の所見が取れ、隠れ〜病を持っている、〜が弱っている…などの結果になる方も少なからずみられます。
(‘実技講座’が、いつの間にか、真剣に自らの病を治療しようとする、治療室に変わっていくことが多いです)
すぐに所見が取れる「キー子スタイル」に驚き、感動し、何度も受講する方もおられます。

‘実技講座’は、二人一組ずつ、5組〜6組を次々に回って治療の様子を確認していきます。
鍼灸師は、色々な症状を持っておられる方も多く、瞬時に判断してアドバイスしていかなければならないので、私も非常に勉強になります。
(何と鍼灸師に不健康な人が多いのか…と思うことがあります。もっとも、身体が悪かったから、鍼灸師になった…という方も多いのですが…)

また、問診表の書き方一つで、治療の実力がある程度判断でき、何度か参加されている方は、治療技術の向上やお人柄も分かり、「長野式治療法」・「キー子スタイル」を確実に取り入れて治療されていることも分かってきます。


‘プレ実技講座’
‘基礎講座’から次ぎの段階の‘実技講座’を受講する前に、参加者、特に学生や資格取得間もなくの皆さんから、取穴や処置法の確認をする講座を開講して欲しいとの要望が多く寄せられました。

そのために、‘実技講座’に参加される前に、「長野式治療法」や「キー子スタイル」でよく使用される処置法や経穴の実際を学ぶ‘プレ実技講座’を行っており、この講座は、治療よりも、基本的な所見の取り方、代表的な経穴の取穴やその刺鍼を主に学ぶことを目的とする講座です。

また、‘オ血’などのよく見られる所見や、簡単な処置で改善されるような代表的な所見のある場合には、その所見を改善する取穴をし、そこに刺鍼をします。
そして、簡単な治療を通して、「キー子スタイル」の治療効果の素晴らしさの一端をチョッピリ実感して頂きます。

‘プレ実技講座’は、あくまで、所見の取り方や取穴、あるいは、簡単な処置法を実際に刺鍼することが主なのですが、所見を取っているうちに、ほとんどの参加者が、どうにかこの所見を改善したい…という臨床家の本能を呼び覚ますのか、取穴そっちのけで、治療に集中してしまいます。
 治療は‘実技講座’で…、と、しつこく説明するのですが、こちらも、面白い所見があると、ちょっと取ってみたいな…、との誘惑に駆られてしまいます。

また、すぐに改善しそうな所見が取れないと、参加者以上に燃えてきてしまいます。
先日行われた‘プレ実技講座’で、興味ある症例がありましたので、ご紹介いたします。
ただし、‘プレ実技講座’ですので、詳しい問診表はなく、その時に行った簡単な問診から、治療をしました。
治療といっても、鍼は使用せず、「キー子スタイル」の方法である、刺鍼前に押圧して所見の改善をみる方法を取っています。
それでも、所見がサーッと消失していきます。


‘プレ実技講座’でのモデルから
あるペアのところで、腹部所見の取り方を行っていました。
指導していると、「肝実」の反応(「右期門」部)が非常に強く出ていました。
「肝実」所見の出る原因を探るべく、色々と質問をしましたが、薬も余り服用したことが無く、アルコールもほとんど飲みません。家族歴にも、肝疾患の方は、思い当たらないとのこと。

その時に、右第4指に湿疹があり、爪も波打っていたのに気づきました。
2年前に行った右膝の半月板の手術後から発現したとのこと。
麻酔の有無を尋ねると、半月板手術のために、腰椎に下半身のための麻酔を行ったが、それが非常に痛いものということで、麻酔で眠らせてから、改めて腰椎麻酔を行ったとのことでした。

麻酔、それも二重の麻酔。
頭の中に電気がパッと点きました! 閃きました! これだ!
岐子先生が、「麻酔は「肝」をやられることがあるよ」と言われたことがあります。
こんな時には「肩グウ」「築賓」の『解毒処置』!(ホームページの「以鍼伝心」の「「肩グウ」「築賓」の時代」を参照下さい)
また、出ました『解毒処置』!
(ホームページに、度々登場してきます。それだけ、現代には必要な処置法ということでしょう)

また、皮膚に異常が現れているときには、非常に効果を現す処置法です。
「築賓」を押圧して「右期門」部の圧痛がほとんど消失。それに「肩グウ」を加えて、全く圧痛無し。
背部所見を取っていると、「左天宗」付近に顕著に「心」の反応が診られました。
「肝」をやられると「心」がやられることが非常に多いです。
これも、伏臥位のまま「左肩グウ」を押圧すると、すぐに消失!

腰椎麻酔は、L2付近に注射をすることが多く、そこを押圧すると圧痛がありました。
この圧痛は、「腰兪」で取れます…岐子先生のおっしゃる通りOK!!

まだ若い方ですが、このまま放置しておくと、「肝」と「心」の反応が出ているように、体力(免疫力)が落ちたりすると、単なる所見だけではなく、具体的に肝臓や心臓の疾患として西洋医学的な検査結果に表れてくる可能性があります。

東洋医学の神髄、‘未病を治す’です。
‘プレ実技講座’に参加されて良かったですネ。


楽しきかな「キー子スタイル」
手術をされている患者さんは非常に多く、‘傷治療’と‘麻酔での「肝」治療’が、セットで必要になることが非常に多いです。
また、最近、非常に軽い麻酔で「肝」をやられ、「肝」の治療をしたら症状が消失した症例がありました。(後ほど、この症例をご報告するつもりです)

まだ、‘プレ実技講座’でしたので、本格的な治療はしませんでしたが、‘実技講座’で実際に刺鍼や施灸をして効果を診るのが楽しみです。
これが、「キー子スタイル」の凄さと面白さです。
  恐るべし、「キー子スタイル」!!

村上 裕彦 2008年05月




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