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●時々日記 |
vol.4 時々日記 … (4) |
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ヤァ、ヤァ、ヤァ、…‘むすび’が我が家にやってきた! |
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「ペットロス症候群」に書きましたが、‘ヘイ太’の一周忌の5月12日が過ぎたら、隣町の獣医さんのところに行って、‘ヘイ太’に似たような雑種を探してこようと考えていました。
ある日、患者さんに、「‘ヘイ太ちゃん’どうしています?」と聞かれ、「昨年、5月に亡くなりました。一周忌が過ぎたら、また、私の健康のために、里親を捜している獣医さんから、犬を貰ってこようと考えています」と答えました。 翌日です。その患者さんから、お電話があり、「我が家で生まれた犬を飼っていただけませんか?‘ヘイ太ちゃん’の一周忌の過ぎる5月まで、こちらでお預かりしても良いですから…。今、2ヶ月の白い柴犬です」 翌週の治療に、写真を持って治療に来られました。 「カワイイ!!!」 すぐに決心しました。飼おう! 当院の待合室には、柴犬の写真集でもある‘犬川柳’の本が2冊置いてあり、我が家の台所には、柴犬のカレンダーがかかっています。 柴犬を飼おうとは、全く思っていませんでしたが、わざわざ、柴犬を飼って欲しいと頼まれるとは、不思議な偶然です。 潜在意識に、柴犬を飼いたいと思う気持ちがあったのか、あるいは、この日の来るのを、予感していたのでしょうか。 Mix(今は、余り雑種とは言わないようです)で結構、飼い主の血統が定かでないのに、犬の血統の方がしっかりしているとは、屈辱的である…、なんて思っていました。 (‘ヘイ太’を「何犬ですか?」と尋ねる人には、「由緒ある‘埼玉犬’です」と答えていました)
春の大宮会場の松本先生のセミナーが近づいていましたので、それが終わってから飼う予定でいました。 毎週、私を治療に来てくださる方がいます。彼女は、今までに何匹も犬を飼った経験があり、今も2匹飼っています。 彼女から「すぐ大きくなるから、可愛いこの時期に飼った方が良いですよ」とのアドバイスがあったので、すぐに貰いに行きました。 実際に見て、抱いてみると、本当に可愛い。 (恐ろしい本性が隠れているとは、思いもよりませんでした) 血統書の名前は、‘雪華姫号’。凄い名前です。 初めて見た写真の顔の鼻と口の周囲が「おむすび」そっくり。 我が家での名前は、即、‘むすび’と決めました。 対外的な正式名は、‘村上むす美’。 そして、この犬で、多くの人々と色々素敵な縁を‘むすび(結び)’たい…、との気持ちを込めました。 母親の名前は、‘はるな’(榛名山?)。 ‘むすび’と一緒に産まれた兄貴(or弟分)は、貰われていった先で、‘あかぎ’(赤城山?)と名付けられました。患者さんのご実家が、群馬県だからでしょうか。 もし、オスが我が家に来たら、‘忠治’とでも名付けたかも知れません。 産まれたのがたった2匹きりなのに、逆子で帝王切開での出産だったそうです。 (犬のくせに、まったく…。甘い物の食べ過ぎだったのでは?「膏肓」と「至陰」にお灸をすれば良かったのに…)
予防接種も済み、晴れて、散歩にでかけました。 犬がいなくなってからは、たった10分の散歩もしなくなったのに、‘むすび’がきてからは、毎日の散歩はかかさなくなりました(他力本願でなくては駄目とは、意志が弱い)。 ‘むすび’は、朝7時頃に起床です。 溜まっていたオシッコをマットの上でしますが、どういう訳か、必ずオシッコを舐め、また、オシッコの上を踏んでからマットを離れます。 私は、ベッドの脇に、‘むすび’に入られないように、衝立をしてありますが、その隙間から、私に朝の挨拶のために顔をのぞかせます。 そして、オシッコを踏んだ足で私を引っ掻いて起こそうとし、親愛の情を表そうと、オシッコを舐めた口で、私の顔を舐めにかかります。 今まで、ギリギリまで寝ていた私も、手と口のオシッコ攻撃では起きざるを得ません。 健康的に、朝の散歩から1日が始まります。 (前日、遅くまで仕事をしていようが、関係ありません) 「ストレスケア医療」も始まります。 まず、体力をつけなければ乗り切れません。 良いタイミングで、‘むすび’が来ました。
子犬だからでしょうか、それとも、本性でしょうか。 何しろ、やんちゃで言うことをきかないじゃじゃ馬娘です。(何が、‘雪華姫号’だ!) ‘間寛平’や ‘奥目のハッちゃん’(古いですね…)のような目をして、その奥から、隙あらばイタズラをしようと虎視眈々とチャンスを狙っています。 何しろ、もの凄いエネルギーです。ジッとしていることがありません。 放した途端に、狭い我が家の中を、やっと通れるような隙間もものとせず、モーレツなスピードで駆け抜けます。これも柴犬の本性が出たのでしょうか。獲物を追って、山林の木々の間を縫うように走っているつもりなのでしょうか。 捕まえようとすると、全身をよじって抵抗します。 餌で、「お座り。お手」を特訓中ですが、‘お手’は、決して私の手に載せません。 私の手の上数pの所に浮かせています。 「順位は、お前より上だぞ。ただ、餌のために、ポーズを取っているだけなのだ…」というような態度です。 血統書付きの犬は、「お前の所に、貰われてきてあげたのだ」という尊大な態度をし、拾われたり助けられたりした犬は、「お陰様で助かりました。これからも宜しくお願いいたします」という謙虚な態度を取ります…、と、聞いたことがあります。 これかも知れません。 お陰で、妻も私も手が傷だらけです。今では、手袋をはめて捕獲に取り組みます。 (犬のことをよく知っている人は、「柴犬は、性格がきついですよ!」と、必ずおっしゃいます。遅かった…) 我が母、我が妻、○△先生、…、私の周囲には、性格のきつい女性ばかりです。 そして今回、同類の‘むすび’!(何が、‘雪華姫号’だ!) そういえば、群馬と言えば「かかあ天下」。 妻の母は、生まれも育ちも群馬、我が母も埼玉県の北端、群馬との県境の利根川に接する本庄の生まれ。(○△先生は、…違うか…) 優しい穏やかな女性は、幻想と思うようになりました。
メスですので、1回、子供を産ませようかとも考えています。 でも、沢山産まれて、引き取り手がなかったら大変だし…。 皆さんのなかに、もし産まれたときには、是非、欲しいという方がおられましたら、ご連絡下さい。 多くの方からのご要望がありましたら、2〜3年後に子供を…と考えてもいます。 ‘むすび’の子で、良い縁を結びたいと思っています。
最初は、つい‘ヘイ太’と呼んでしまいましたが、最近では、‘むすび’と呼ぶようになってきました。 ようやく、我が家の一員となってきたようです。 ‘むすび’が長生きをし、もし、私が平均寿命位まで生きると、ちょうど、私の人生と‘むすび’の終焉が同じ頃になりそうです。 枕を並べて、共に過ごした(戦った?)日々を「敵ながら、天晴れ!」と懐かしく語りながら、一緒に天に召されるのでしょうか。
‘ヘイ太’に代わって、今度は‘むすび’が尚古堂の看板娘になります。 宜しくお願いいたします。
…とは言ったものの、しばらく飼ってみて、更に、本性の凄さが徐々に現れてきました。 とても一筋縄でいく相手ではありませんでした。 この原稿を書き始めた頃は、まだ、「そのうち慣れるサ…」と、楽観視していました。 新たな敵との奮戦記は、また、後ほど。 犬好きの方、楽しみにお待ち下さい。

※右の鼻の黒い方が‘むすび’、左が兄貴の‘あかぎ’です。 ‘むすび’の方が、何となくふてぶてしい? |

※あどけない顔をしていますが…。外面如菩薩、内面如夜叉? |
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