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情報コーナー

●長野式研究会・尚古堂便り
Vol.11 「長野式治療法」と「キー子スタイル」…(1)

最近、《長野式研究会》の‘実技講座’に参加したいという方から電話がありました。
既に他の研究会で基礎を学んだので、直接‘実技講座’で実技をしたいとのことでした。
私が居なかったので妻が応対し、《長野式研究会》の‘基礎講座’を修了した方のみとお伝えしたのですが、基礎を修了しているから、すぐに実技を行う準備はできていると、執拗に参加させて欲しいとのことだったそうです。

他にも、最近、《長野式研究会》の‘基礎講座’を受講していないが、松本岐子先生のセミナーや‘産科講座’に参加したい、との問い合わせが少なからずありました。

松本先生のセミナーは、空きがあれば参加できますが、基本的には《長野式研究会》の‘基礎講座’修了程度のレベルを対象にしています。

「長野式治療法」を学びたいという皆さんの中に、‘長野式’という名称だけが一人歩きをして、混乱を来しているところがみられ、また、同じような問い合わせがあった場合のために、このことについて少し述べたいと思います。

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‘長野式’を冠している研究会がいくつかありますが、本当の「長野式治療法」は、故長野潔先生のみができることであり、長野潔先生以外は、その亜流となってしまいます。

仏教が様々な宗派に分かれているように、お釈迦様と同じ事はできません。
お釈迦様の教えのどこに重きを置くか、あるいは、解釈の違いなどにより、例えば、日本でも曹洞宗は‘只管打坐’とひたすら座禅を行い、浄土真宗は、阿弥陀様の救いにすがって、一心に「南無阿弥陀仏」を唱え、日蓮宗は、法華経にその根拠を求め「南無妙法蓮華経」を唱えます。

ですから、松本先生の「長野式治療法」は、「キー子スタイル」となり、A氏が行う「長野式治療法」は、「長野式治療法:A氏方式」ということになります。
私の治療法も、「長野式治療法」と「キー子スタイル」をミックスさせたような「長野式治療法:村上方式」(私は、‘w-key治療’と呼んでいますが)となります。
一度、それぞれの‘長野式’を冠する研究会に参加されてみると、その違いがお分かりになるかと思います。
時には、まったく次元の異なる治療法と思われるのではないでしょうか。

《長野式研究会》では、私が長野潔先生から学んだことや先生の臨床などをそのまま伝えたり、自分なりに解釈して、私の知る範囲のことをお話ししています。
それに、実技では、松本岐子先生の「キー子スタイル」を私の理解できる範囲で大幅に取り入れて行っています。
また、「長野式治療法」を松本先生が更に発展させたり、松本先生独自の治療法や理論がありますので、それらも同様に、大幅に取り入れて講義しています。

長野潔先生の脉診が非常に高度で、名人芸とも呼ばれていますが、それでもどうにかして「長野式治療法」を手に入れたいと、それを腹診に翻訳して私たちに分かり易く広めてくださったのが松本岐子先生の「キー子スタイル」です。
ホームページの「ご挨拶」の中で触れていますように、松本岐子先生が居たからこそ、「長野式治療法」が盛んになったといえると思います。


‘オ血処置’にしても、長野潔先生と松本岐子先生とでは、それぞれに特徴があります。
恐らく、どこの‘長野式’を冠する講座でも、基本的な「オ血処置」は、所見が「左大巨」部で、その治療は、左側の「中封」・「尺沢」と学ばれるかと思います。

その「オ血処置」においても、松本岐子先生は、長野潔先生の教えられた基本的な考えを踏襲していますが、治療方法やその後の考え方に相違がみられます。

長野潔先生は、脉診をし、「左大巨」の圧痛を診られ、先に「左中封」に置鍼し、「左尺沢」に雀啄をしながら「左大巨」の圧痛を消失させていきます。
また、脉診をして、脉がどのように変化しているかを診られて次の処置に移られます。

松本岐子先生は、先に、「左大巨」の圧痛が消失する「左中封」を押圧して探し、「左大巨」の圧痛が変化するのを確認してから、「左中封」に刺鍼します。
「左大巨」の圧痛が減弱するのを確認して、更に、「左大巨」の圧痛が減弱する「尺沢」を探し、「左大巨」の圧痛がより改善するのを確認してから、「左尺沢」に刺鍼します。
(この方法は、セミナーのライブビデオや『医道の日本』社刊行のビデオをご覧下さい)

「左中封」を押圧して、「左大巨」の圧痛の改善が診られない場合、呼吸器系の既往歴のある患者さんには、先に「左尺沢」を押圧した方が、「左大巨」の圧痛改善が診られ、「左尺沢」を刺鍼してから「左中封」に刺鍼するようにします。

あるいは、「左大巨」の奥に硬結が感じられる場合には、「腎」に関係があることがあり、「上築賓」を使用すると、顕著にオ血の改善が診られることがあります。
更に、‘オ血処置’をした後には、ホームページの「ネット講座」の「ネット基礎講座」にもあるように、「オ血ライン」に沿って所見の改善を確認していきます。
これは、「キー子スタイル」の特徴です。

また、これも「キー子スタイル」ですが、「病は上がる」という原則で、左胸部の「心」の反応所見が診られるときには、‘オ血処置’をした後、これも必ず確認していきます。
(これだけが理由ではないのですが…)


このように、「キー子スタイル」独特のものがありますから、他の‘長野式’を冠した研究会では、教えていないか、あるいは、中途半端となることがあります。
もし、そのようなことをきちんと教えている場合は、それは、「キー子スタイル」ということになります。
また、教えている方も、『これは「キー子スタイル」です』と、混乱を避けるために、きちんと話されるべきです。
(このため、「長野式治療法」として学ばれた場合にも、「キー子スタイル」が混じっている場合が少なからずあります)

《長野式研究会》では、長野潔先生(「長野式治療法」)と松本岐子先生(「キー子スタイル」)の教えや手技などの違いや特徴をきちんとお話ししています。
「キー子スタイル」として教えていない場合には、‘実技講座’のときに、‘オ血処置’をした後に、なぜ、‘オ血ライン’や「心」の所見を確認しなければならないか、分かりません。

《長野式研究会》の‘基礎講座’でお話ししたことを、‘基礎講座’を学んでいない方お一人のために、‘実技講座’中に最初から教える時間はありませんので、大変申し訳ないのですが、‘実技講座’の参加資格は、《長野式研究会》の‘基礎講座’を修了された方に限らせて頂いています。

また、‘産科講座’では、講師の‘K子母さん’が逆子や体外受精をした患者さんの不妊治療に「膏肓」を使用していると講義されました。

「膏肓」の使用法に関しては、松本先生の独特な古典解釈から導き出された治療法であり、「キー子スタイル」を取り入れている研究会以外では、松本先生の「膏肓」の使用方法を教えていないはずです。
(ただし、『医道の日本』誌の論文を読まれ、「キー子スタイル」では…との注釈付きの場合は別です)

‘K子母さん’は、《長野式研究会》の各講座を修了され、松本先生のセミナーにも参加されて、「キー子スタイル」を学び、その治療法を中心に講義されます。
ですから、‘産科講座’の途中に、「膏肓」の使用理由や治療方法を改めて質問されることは、既に学んだ方には、説明する必要のないことですので、迷惑なこととなってしまいます。

松本先生のセミナーでも、時折、‘基礎講座’を受講されていない方が、‘基礎講座’で説明するような基本的なことを質問する場合があります。
一つでも新しいことを学びたいと来られている参加者には、その質問の代わりとなるお話しを、松本先生から聞きたいと思われます。
(アンケートでも、基礎的な質問はさせないで欲しい…という要望があります)

このように、‘産科講座’や松本岐子先生のセミナーも、‘基礎講座’で習ったようなことを質問して、貴重な時間を浪費することは避けたいと考えています。


参加資格が、《長野式研究会》の‘基礎講座’修了者に限られている講座やセミナーに関しては、以上のような理由がありますことを、ご理解頂きたいと思います。
故長野潔先生ご本人の「長野式治療法」と松本岐子先生の「キー子スタイル」の違いなどにつきましては、改めて、書き加えたいと思います。

村上 裕彦 2008年05月




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