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皆さん、10月22日(水)のNHKの「ためしてガッテン」を見られましたでしょうか。 慢性扁桃炎が、様々な病気の原因となる…という内容でした。 出演していた医師は、この様な治療法を、多くの医師がもっと知って欲しいと述べていました。
「長野式治療法」のメインの考え方のひとつが‘扁桃病因論’です。 長野潔先生は、扁桃に関しては、40年以上も前にその重要性を訴えておられました。 昭和47年9月初版の「新臨床医学文書211/『扁桃とその臨床』:形浦昭克著(金原出版株式会社刊)」(絶版)に、もう既に、扁桃病巣感染による二次疾患が書かれています。 そこには、@扁桃性微熱、A運動器疾患=急性及び慢性リウマチ性関節炎、アキレス腱炎、禁煙(筋肉痛)…、B消化器疾患=胃腸炎、胃潰瘍、胆嚢炎…、C循環器疾患=心嚢炎、心内膜炎、心筋炎…、D泌尿器疾患=腎盂腎炎、特発性腎出血…、E皮膚疾患=リウマチ熱、結節性紅斑、掌蹠嚢胞症…、F眼疾患=虹彩炎、毛様体炎、視神経炎…、G疑わしい疾患=気管支喘息、偏頭痛、クインケ浮腫、舞踏病、チック症…等々、多くの症例が記載されています。 長野潔先生は、この著書に大変啓発され、確か、形浦昭克先生とお会いし、形浦先生を大分県鍼灸師会の学術講習会に招聘し講演を依頼されました。
本来「ためしてガッテン」に出演すべきは、形浦昭克先生と長野潔先生です。 形浦昭克先生は、出版当時、札幌医科大学耳鼻咽喉科教授でしたので、今では、恐らく、鬼籍に入られたかと思いますが、先進的な考えや研究を理解するには、凡人には難しいとつくづく感じます。 この偉大な長野潔先生も、松本岐子先生と出会うまでは、何度も『医道の日本』誌に投稿されても全く無名の一鍼灸師でした。 その長野先生の凄さを見付けた松本先生も、凄いと思わざるを得ません。
「ためしてガッテン」で説明された治療法は、扁桃炎の切除ですが、長野潔先生は、扁桃炎の切除をすると、歳を経てから身体が虚して影響が出てくると言われました。 扁桃の切除術を受けた方が、将来、身体の変調を起こしたとしても、それが、扁桃の切除術からとは思わないでしょう。 10数年来、私の治療院に来院されている患者さんは、40歳後半に扁桃の切除をされました。 現在、医師からペースメーカーを付けるように毎年奨められているのですが、医師が、10年前のカルテを調べると、今と全く変化がなく、この様な症例はほとんど無いと驚いていました。 治療前は、「沈・遅」(腎虚)の脉状を伴った驚くほどの不整脈ですが、治療後は、少しの不整脈があるも整ってきます。 主訴は、その時々で色々ありますが、基本は、扁桃治療と糖代謝の処置です。 歳月を経てからの扁桃の切除術が、心臓に負担をかけた結果かと推測されますが、長年の鍼灸治療で病の進行を防いでいるのではと思っています。
もっと、鍼灸治療が広まれば、随分助かる人が増えるのではと思うのですが、古くて先進的な鍼灸治療を理解できる人は、まだまだなのかも知れません。 若い鍼灸師の皆さん、是非、頑張って下さい。
インターネットのニュース一覧を見ていましたら、タレントの中川翔子さんが、尾骨の骨折をされたというのがありました。 ‘尾骨々折’と聞けば、興味が湧くのが‘キー子スタイル’を学んだ者の性。 仕事中の事らしいのですが、現在、尾骨の痛みをこらえて舞台を頑張っているというような内容でした。 そして、彼女のコメントに、「顔や足でなくてよかった」とありました。
一般の人のほとんどは、尾骨々折の怖さを知らないと思いますが、後々、精神疾患や婦人科疾患、運動器疾患など、様々な症状や病気を発症する恐れがあります。 現在、私は、神奈川県立精神医療センターで、ウツ病の研究をしています。 基本的には、最初に医師による薬物を中心とした治療などを行います。 そこで、改善がみられず、鍼灸治療を希望されたり、鍼灸治療の効果がありそうな場合は、私達の東洋医学研究室に回されてきます。 しかし、下腹部の手術を何度かした方や、尾骨を強打したり、尾骨々折の既往のある患者さんは、鍼灸治療の適用になります。 尾骨々折が、如何に重要視されているかお分かりになるでしょう。
彼女は、「顔や足でなくてよかった」と述べていますが、タレントですから、顔はともかくとして、尾骨の骨折は、足と比較する対象ではありません。 もし、中川翔子さんと接触できる機会のある方がおられましたら、いつまで経っても、尾骨々折の痛み(通常の生活で痛みが感じなくても、押圧して圧痛がある場合も含みます)が取れないときには、「キー子スタイル」を学んだ鍼灸師のいる治療院に行くようにお奨め下さい。
中川翔子さんの全身の所見を取り、尾骨との関連を調べてみたいものです。
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