●ニュース＆アラカルテ

vol.53

『女性に優しい鍼灸治療』を上梓しました 長野潔先生の夢で有りました「鍼灸の地位向上」に少しでも貢献したいと、常々思 っています。 それには、講座で「長野式治療法」・「キー子スタイル」をお話しして鍼灸師に対し てこの治療法を知って頂こうと講座を開講してきており、それに、一般の皆さんにも っと鍼灸のことを知ってもらう事が必要と常々思っていました。 鍼灸のことを一般素人の方にも理解できるように書いたつもりでしたが、様々なト ラブルが次々に起こり、一時は、出版をあきらめました。 しかし、神様が憐れんで下さったのでしょうか、ようやく出版できました。 皆さんの治療院の受付に置いて頂くような本にしたつもりです。 　　●価 格：￥１､７６０ 　購入ご希望の方 ◇参加費に書籍代を加算してお振込み頂いても構いません。 　　※通信欄に「書籍代含む」とお書き添え下さい。 　　　会場参加の方は、講座２週間前まででしたら 　　　　‘スマートレター便’でお送りします。（送料無料） 　　　　YouTubeで視聴される方も同様です。 　　講座前２週間を過ぎましたら、当日会場でお渡しします。 　　ご購入下さると有難いです。 宜しくお願い致します。 「待ちに待った古酒が飲める！ 10年待った味は…？」 【出版雑記】 　この沖縄の酒は、沖縄セミナーの時に『長野式勉強会』から贈られた古酒です。 　丁度、この『女性に優しい鍼灸治療』の元になる本を書いていた時なので、こ の本を上梓したら古酒の栓をあけ、スタッフと祝おうと楽しみにしていました。 　一般の方へ鍼灸をもっと知って頂きたいとの思いを込めて書いたために、内容 量が相当多くなってしまいました。 ほぼ完成していたのですが、ページ数を半減して欲しいとの要望で、内容を改 めて吟味すると女性に関しての記述が多かったので、女性について書かれている 部分を抜き出して改めて“女性に関する…”に的を絞って一から書き直しました。 いい線まで行った感じで、古酒の栓を抜くのも近い！…と思いましたが、校正 原稿が上がってきたら、「内容に書かれている内容のエビデンスは大丈夫ですか？ チェックをお願いします」とのお言葉…！？ チョット、テンションダウンでしたが、折れそうになる心鞭を打って全ての内 容を総点検しました。 そもそも、鍼灸治療にはエビデンスが難しい所があります。 治った、改善したという事実がエビデンスと思うのですが、西洋医学一辺倒の 現代では通じないことが多々あります。 “甘い物が筋肉に影響が有り、｢上太白」に刺鍼すれば全身のどこの筋肉にも効 果がある”という経験は、長く「長野式治療法」・「キー子スタイル」の治療をし ている鍼灸師の皆さんも体験済みかと思います。 しかし、｢上太白｣に関しての実験は一般の鍼灸師では無理ですし信じて頂ける 方に信じてもらうより仕方ないのでしょうか。 長野先生は、「鍼灸治療が認められるのは、多くの症例を集めて効果を証明する より他に無い」と言われました。 同じ症状でも、その症状に影響する既往歴に関しては西洋医学では関係ない… と排除されています。 個々の人によって異なるバックグラウンドや一見主訴や症状と関係の無さそう に見える他の所見に目を向けるのが鍼灸治療の特徴であり醍醐味です。 虫垂炎が婦人科疾患や様々な運動器疾患その他に非常に関係があるという事な ど一蹴されてしまいます。 この辺の重要性を研究するのが鍼灸大学や大学院の責務であり、妙味であり、 そして、鍼灸治療は、博士取得の宝庫だと思うのですが… 　エビデンスのチェックや細かい表現を見直し、ようやく発刊！とホッとする間 もなく、私に付いていた編集長さんが退職して変わり、新たな編集長さんにバト ンタッチ。 しかし、「一般の方に鍼灸をアピールするのでしたら一つ一つのテーマを見開き ２ページ位にまとめて、簡潔に分かり易く書いた方が手に取った時にインパクト があります…」として編集長さんが大雑把に書き直した下書きを提案してきまし た。 長年出版に携わってきたプロのおっしゃることですから、今までので出版して 下さい…とも反論できず、「ようやく出版！」と高揚していた気持ちも一気にどん 底に。 書き直すピッチも相当低下し、ダラダラダラと断続しながらも書き直しが終了 しました。 見開きにまとめたものですから、内容に相当無理が生じ書き直したいところが あちこちに出てきましたが、もう続ける気力もほぼ失せ、文字や文章などの本来 の校正と言われる作業をし、「さあ、これで終わり！！」と一息つきました。 ほぼこれで終わり…、と最後の内容チェックの話し合いが持たれました。 内容についてチェックしている間に、鍼灸治療について色々とお話をしました。 その時に付いてこられた若い編集者が、「村上さん、そのお話し、とても面白く 興味が湧きます。それも入れた方が良いですよ！若い女性も知りたいと思ってい ますよ…」と話しが弾みました。 若い人に読んで頂きたいと思って書いてきたのですから嬉しくは有りました。 今さら…という思いでしたが、若い方の感性に合わせた方が良いのかも…とい う流れで、何と、また内容を再構築して書き直し！ 　流石に今回だけは本に対するエネルギーも薄れ、全く書き直すこともなくほぼ １年間放っておきました。 　ここまでで、既に８年近く経っています！ 　しかし、中途半端なままではいつまでもこのモヤモヤは解消しませんので、よ うやくパソコンに向かって書き始めました。 最初の校正で、全体の内容がほぼ固まり、指摘された個所を直し必要な図を挿 入する段階に入ってきました。 最初は、実際の人を使って関連のある経穴や必要なポイントを書き込もうと予 定していました。 果たしてモデルになって下さる方がおられるのか心配していましたが、私のス タッフが早々と友人を見つけて下さり、モデルさんが身に着ける本に相応しい派 手でないビキニの水着もすぐに購入して、いつでも撮影OKの状況となりました。 　それから６年以上も待たせてしまい、結婚もされてしまいました。 　私の講座のテキストの図で使えそうなのがいくつか有りましたので、それを使 用してみましたら、非常にしっくりきます。 この図を書いて下さったスタッフの松下先生に他の図も依頼したところ快諾！ 人間がモデルでしたら、撮影の準備や撮影、また、その修正など大変な作業が かかり、本に挿入するのも写真では手がかかるし印刷代も増えますが、図でした らすぐに訂正できますし早いです。 　お陰で図の方は、私の要望をくみ取って下さり思い通りの図があっという間に 完成！ 　５月２２日に刷りたての本が届きました。 　実際に本屋さんに届き購入できるのは、６月初旬頃になる予定ですが、初版刷 りが少ないので本屋さんへの予約となるかも知れません。 私が本を書いていることを知っているスタッフからは、何度も「未だ出ないん ですか？」と聞かれる度に冷や汗ものでしたが、ようやく、「出たよ！」と報告で きました。 古酒のラベルに書かれている日付は、2016年3月19日。 書き始めから約１０年経っていました。 たったP240の文庫本のような装丁と一般の人向けの分かり易い内容ながら、 期間だけは大部になりそうな年月がかかりました。 　この本は、特に若い女性に読んで欲しいと思っています。 　あるいは、中高年の女性で、本人にとっては更年期に関係があるかも知れませ んし、そのお嬢さんやお孫さんに関係があるかも知れません。 　また、既往歴が現在の症状に関係があるかも知れません。 　そのような皆さんにお読みいただければ有難いです。 　できれば男性にもお読みいただき、周囲の女性に不調が診られたり、ご自身も 含めて思い当たる節が有りましたらチェックし、分からないときには、近くの鍼灸院を受診してみて下さい。 一段落したら、最初に割愛した内容をまとめて、更に一般の人に鍼灸治療を理 解して頂く本を書こうと思っています。